バイト全落ちの彼が内定したので、きっと私は泣いてしまう

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記事更新日 2023年03月23日

30秒 就活力診断!

この記事内容の監修者

ジョブトラ編集部
ジョブトラアカデミー編集部です。 早期内定をサポートする、リアルな体験談やコラムを発信しています。

 

カフェに応募する彼の履歴書には、こんな風に書いてあった。

 

接客を通じて、お客様の笑顔が見たいです。

僕は人と話すのが好きで、アルバイトも接客をしたいと思っています。

カフェではたくさんの方を接客できるので、応募しました。

 

この履歴書も悪くないんだけど。

ただ、彼が応募していたのは一等地の人気カフェで。

このままじゃ落ちるかもな、という倍率ではありそうで。

 

「ねえ、これって本音?」

「え?」

「本当に接客が好きだからカフェへ応募するの? わざわざ表参道で? 地元の駅近じゃなくて?」

「あ、いや、そっすよね。でも志望動機ってバイトにそんな無くないですか。正直何も書くこと思いつかないっす」

 

その後、ムリヤリ聞き出した彼の本音はこうだった。

「地方の高校から進学して大学へ来た。ところが大学は都内とはいえ郊外のキャンパス。

思い描いていた青春☆は訪れそうにない。

だからせめてアルバイト先ではキラキラしたところがよくて、表参道のカフェを選んだ

表参道のカフェは雑誌で知っていて、あこがれている場所だった」

 

本音の志望動機で、初めてのバイト内定を手に入れた

「この本音を、入れればいいんだよ。志望動機」

「え、志望動機にそんなこと書いていいんですか」

「いいよいいよ、ただ、書き方をちょっと変えるだけで」

 

地方から来るお客様に最高の都会体験を届けたいです。

私は高校時代に最寄りのカフェまで自転車で30分という田舎に住んでいました。

当時の私にとってカフェは非日常で、特別な体験でした。

それから上京して、意外と都内にも郊外があること、非日常のカフェ体験をしたければ

やはり30分くらい電車に乗って、都心部へ出る必要があると気づきました。

そこで同じように地方からお越しになるお客様へ、最高の都会体験をお届けする支援がしたいです。

 

と、まあ、こんな風に彼のエピソードを聞き取りながら書き換えてみた。

「生々しいですね」

生々しいくらいがちょうどいいの。だって、そうじゃないと自分らしさが出ないし、嘘くさいし。

それにさ、表参道のカフェに来る人で、東京生まれ・東京育ちの割合どれくらいと思う?」

「まあ、低いっすよね」

「そう、だからさ、実はこのほうがリアルなんだよ」

 

果たして、彼はアルバイトに内定した。10社落ちた後で、初めてのバイト内定。

彼は、そこから少し変わった。

 

課外活動でさらに磨かれる「自分の意思」探し

「自分が何をしたくて、行動を起こしているか」に注意を向けるようになった。

 

たとえばモテたいから、カクテル作りのサークルに入る。

モテたいのはなんでだっけ。そう、高校時代にモテなかったんだよね。

モテてちやほやされてるクラスの男子が羨ましかった。

 

でも、なんで羨ましかったんだろ。別に彼女たくさんとかいらないし。

そうか、羨ましかったのは「同級生とか先輩からも一目置かれる感じ」だったんだ。

じゃあ、モテでもモテ以外でもいいけど、「一目置かれる感じ」ってどうやったら手に入るんだろう。

 

そうして彼は、大学2年生から筋トレを始めた。

さらに、ゆるい繋がりだった語学のクラスで飲み会の幹事をやってみた。

それから、内定できたバイト先のカフェで、ちょっと落ちこぼれた人を助けた。

 

そして、気づいたら。

彼は典型的な「就活で強いエピソードを持つ人」になっていたのである。

 

率直な志望動機で、難関企業の内定を手に入れた

彼は「自分の欲望」を素直に自覚する力を手に入れた。

だから、彼の志望動機は就活でもきれいごとがなかった。

 

これは、彼が書いたエントリーシート(ES)の一例だ。

 

私は「モテたい」欲望を叶えて顧客男性を幸せにしたい。

私は高校時代にモテなかったことから大学1年生のころはモテることばかりを考えていた。

表参道のカフェでアルバイトをしたり、ファッション誌をならって服を全部取り替えたりした。

 

だが、それで念願の告白をされても、全く嬉しくない自分がいた。

自分が欲しかったのは「男友達や先輩から承認されること」で、モテではなかったのだ。

それから私はやり方を変えた。飲み会の幹事をしたり、バイトでついていけない人を残業して助けた。

 

そうして人から認めてもらえて、初めてコンプレックスが消えていった。

御社のサービスは、モテたい男性をターゲットにしている。

だが、そのうち本当に「モテ」が目的な人は、どれくらいいるだろうか。

 

私は男性顧客の真の幸せを届けるために「モテたい」欲望をその根本にある承認欲求から解決したい。

そうして、同じ悩みに苦しむ男性の苦しみを減らしていきたいと思い、貴社を第一志望としている。

 

めちゃくちゃ率直だ。そして、嘘くさくない。

だから彼のエントリーシートはほぼ全部通った。

面接でもこのまま話したから、きちんと内定した。

 

内定先は、倍率100倍を超えるメンズ向け媒体の大手企業だった。

 

10月の内定式が来たら、きっと私も泣いてしまう

彼はあっけらかんと笑っていた。

「なんか、モテたいと思って表参道でバイトしてたら内定できたんすよ」と、言っている。

 

でも、私は彼のささやかな情熱が救ってきた人の数を知っている。

 

バイトでもう辞めようかと悩んでいた後輩が、その後1年働けたこと。

離散しかけたゼミが、彼のおかげでまとまったこと。

だから、私は10月の内定式に、こっそり泣くだろう。

 

就活の志望動機は「モテたい」「見返したい」「楽したい」でもいいのだ。

その小さな欲望が、たくさんの人を救っていくのだから。

 

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