もしかしてやりがい搾取されてない?「ブラックインターン」の見分け方

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記事更新日 2023年03月10日

30秒 就活力診断!

この記事内容の監修者

はるじぇー
「大人の英語学び直し」「語学留学・ワーホリ準備」のための英語学習サービスを完全オンラインレッスンにてハルヨンにて提供中。 著書「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」。 語学学校サウスピークの共同創業者でした。

 

後者のインターンシップは「ブラックインターン」とも呼ばれ、就職活動中の学生は全力で避けるべき地雷インターンシップです。

この記事では、フィリピン・セブ島にある語学学校の経営に関わっていた経験を持つ筆者が、海外におけるブラックインターンの実情を交えながら、ブラックインターンの特徴や見分け方について解説していきます。
 

世にも恐ろしいブラックインターンの特徴

 

中小企業やベンチャー企業でよく見かける、長期インターンシップ。
この長期インターンシップのなかには、真面目に就職活動をしている学生であれば絶対に避けるべき「ブラックインターン」が存在します。

ブラックインターンとは一体どんなものなのでしょうか。

ブラックインターンの大きな特徴として、「報酬は最低賃金未満であること」と「業務中は放置されがちなこと」のふたつがあげられます。
ブラックインターンとは何かを知るために、まずはこのふたつの特徴について詳しく見ていきます。

 

ブラックインターンの報酬は最低賃金未満

 

現在のCOVID19騒動が起きる前の話ですが、私は年間2-3万人の日本人が語学留学をするフィリピン留学の留学先であるセブ島で、海外インターンに参加する学生を数多く見てきました。

セブ島でのインターンに関して言うと、基本的に「時給0円」が多いです。

東京都の最低賃金は「1時間1,013円 (2020年4月時点)」ですが、セブ島のインターンは時給0円。言い間違いじゃないですよ。

「うちはまともな企業だから、インターンを有給待遇で迎え入れている!」と言っている企業でも、月給2万円前後、時給換算したら約100円だったりします。

この最低賃金未満の報酬こそ、ブラックインターンの大きな特徴なのです。
 

ブラックインターンの業務中は放置されがち

 

ブラックインターンの特徴として、業務中にまともな指導を受けられず放置されがちなこともあげられます。

突然ですが、私が好きな漫画『ラーメン才遊記』の芹沢達也の発言をご覧ください。

 

いいか、汐見。
「金を払う」とは仕事に責任を負わせること、
「金を貰う」とは仕事に責任を負うことだ。
金の介在しない仕事は絶対に無責任なものになる。


ブラックインターンは、この発言で指摘されていることを体現しています。

「金を払う」「金をもらう」が発生しないブラックインターンでは、無責任な経営者が無責任に仕事を割り振ってきます。

簡単に言えば「雑用を任せられる人材が欲しいけど、わざわざ指導はしたくないし報酬も支払いたくない」がブラックインターンを行う企業の本音なのです。

ブラックインターンの学生たちは「無給」や「時給100円」で採用されているため、 雑に業務を割り振っても企業は金銭面で痛手を感じることはありません。
ですので、企業はなんのリスクもなくインターン生を放置できるのです。
 

 

ブラックインターンに参加した学生たちの体験談

 

ブラックインターンは最低賃金未満の報酬で雑務をさせられるうえに、まともな指導もしてもらえない過酷なものであると分かりました。

もっとブラックインターンについて知るために、実際にブラックインターンに参加した学生たちの体験談を見てみましょう。
 

「ずっと無人の受付担当をしていた」

 

「業務の意味も分からずに、スプレッドシートへひたすら数値の入力をしていた」

 

「市場調査を任されたが、パソコンの前に向かっているだけで他の社員や顧客とのやり取りは無かった」

 

「SEO上位記事を模倣したトレンドブログ風の記事作成を命じられたけれど、記事作成に当たってまともなフィードバックはなかった。そもそも、自社のサービスの優位性すらよく分かっていない状態で、他社記事を模倣するだけの記事作成だった」

 

「営業のアポ取りをしろと命じられたが、やり方は指導されなかった。そのため自分で1からアポ取り方法を開発しなければならなかった」

 

通常のインターンではありえないような話ですが、上記は私が直接見聞きした海外インターンの業務例です。

このように、ブラックインターンでは割り当てられる業務の大半が「顧客に対して直接的な価値を生み出さないもの」となっているのです。
 

地雷インターンに引っかかるな!ブラックインターンの見分け方

「最低賃金を払いたくない」「待遇が悪すぎてまともな人材を採用出来ない」といった企業がブラックインターンを行っています。

「報酬は最低賃金未満なうえにまともな指導も受けられないブラックインターンに喜んでいく学生なんていないんじゃないの?」と思いますよね。

しかし、就活向けに話す内容がほしい大学生はブラックインターンに引っかかりやすいので要注意。

 

「金銭的な対価よりも、就活に活かせるような経験を得たい!」そう思っているうちに、ブラックインターンに引っかかってしまうからです。

そう、ブラックインターンは「就活向けに話す内容がほしい大学生」と「無報酬で雑用をこなすインターンがほしい企業」のマッチングによって産まれているのです。

ブラックインターンに引っかからないためにも、長期インターンに参加する前には「最低賃金以上の報酬が支払われるかどうか」をきちんと見分けましょう。



最低賃金すらも支払えない企業というのは、全く儲かっていない企業、経営者が銭ゲバすぎて従業員に賃金を支払う気がない企業、もしくは仕事の内容が定まっていない企業のいずれかであると言えます。

インターンの報酬が東京都の最低賃金を切っている場合、上記のいずれかに当てはまる企業です。
そのうえ、インターンを「安い労働力」としてみなしている搾取型企業なので何としてでも避けてください。
 

フィリピン・セブ島にある某語学学校でのブラックインターン業務

ここからは、ブラックインターンの業務や待遇を、フィリピン・セブ島のにある某語学学校の募集要項を元に確認していきます。

結論から言うと、一見良いと思える内容でも、ひとつひとつ精査するとブラックだったりします。

「ブラックインターンをするくらいであれば、普通に日本でアルバイトして適正な金額の報酬をもらい、その上で語学留学をして英語学習に集中した方が良い」というのが私の意見です。

よりブラックインターンに対するイメージを固めるために、詳しい内容をチェックしていきましょう。
 

ブラックインターンの特徴(1) インターンの期間

 

3〜6ヶ月

⇒実際に社会人になってみるとよく分かるのですが、3〜6ヶ月働く程度では付加価値の低い業務しか出来ません。
 

ブラックインターンの特徴(2) 勤務期間


 

・生徒対応(空港ピックアップ、留学生への対応) 空港ピックアップ

これは、深夜0時前後の便も含むため、生活サイクルが不規則になります。

また、空港で生徒を迎えるだけなので、付加価値はとても低い業務なうえに、辛い業務でもあるのがこの空港ピックアップです。


・その他学校業務の補助
 

まず、前提として語学学校に施設スタッフとして勤務しているフィリピン人スタッフたちの月給は1万円前後。
そのため、モラル・業務の品質は普通の日本人が想定するものよりもかなり低いです。

そんなフィリピン人スタッフたちの業務を補助するのが、この「その他学校業務の補助」。

例えば、フィリピン人スタッフは放っておくと掃除したフリだけして、掃除をしていないこともあります。
そこで、インターン生は掃除をちゃんとしているかどうかの確認をする補助業務をするのです。


そのほかの補助業務としてあげられるのが、フィリピン人スタッフが作成する食事の味見。

2019年、ある日本人経営の語学学校で3ヶ月で20人近くが食中毒で入院する事件が起きたことも……。
このように調理を失敗している場合もあるので、「毒味」ともいいます。

語学学校によっては、インターン生も月給1万円のフィリピン人スタッフと一緒に食事を作る事例もあります。
 

・各種SNSの更新作業(Twitter、Instagram、BLOGなど)
 

放置が横行しているブラックインターンの現場において、手が空いたときの暇つぶしとして与えられることが多い業務です。

経営者はまともに給料を払っていないので、SNSでの情報発信については「やるにこしたことないが、予算はかけたくない」という考え方を持っています。
 

ブラックインターンの特徴(3) 休日

 

勤務時間:1日6時間前後 (深夜の空港ピックアップ有り)

休日:土日・祝日(祝日がなく悪い意味での"完全週休2日制"を導入している語学学校も有り)


⇒学校に住み込んでいるインターンの場合、留学生側からはスタッフの一員と見なされるため、業務時間外でもバンバン問い合わせが来ます。
特に、生徒が病気や怪我をしたら、業務時間外でも対応必須です。

さらに、「暗黙の了解」として、賃金を支払わない土曜日にも出社を強制させる企業もあるので気をつけましょう。
 

ブラックインターンの特徴(4) インターンの待遇

 

・1日3時間前後のマンツーマンレッスン ・学生寮への滞在(食事3食、清掃、クリーニングの利用可)、水道・電気代支給 ・ビザ費用などの申請費支給
 

⇒「マンツーマンレッスンを受けられて、宿泊費や食事も付いてくるのであれば良い待遇なのでは?」と思うかもしれません。

でも、企業側は元々余っていたレッスン枠と部屋を提供しているだけで、何か金銭的な負担をしているわけでないのです。
大して「良い待遇」をしてもらえるわけでもないと覚えておいてください。

・1日3時間前後のマンツーマンレッスン
 

業務時間が延長されることも多いので、3時間のマンツーマンレッスンを全部受けられるケースは少ないです。

また、仕事が忙しくて予習・復習の時間を取れないために英語力を伸ばすこともできないのが実情です。
語学学校のインターンで英語力を伸ばした例はほとんどありません。


・学生寮への滞在(食事3食、清掃、クリーニングの利用可)、水道・電気代支給
 

基本的に生徒との相部屋なので、問題が起こったら業務時間外でも対応しなければならず、24時間仕事から逃げられなくなります。
 

・ビザ費用などの申請費支給
 

実際はビザ費用を負担してくれないどころか、ワーキングビザを与えずに、観光ビザで働かせる違法企業が多いので非常に気をつけてほしいポイントです。

実際、過去にコールセンター業務を担当していてインターン60名が移民局に"逮捕"された事件も発生しています。
 

ブラックインターンの特徴(5) 自分自身で負担する費用

 

・航空券代(成田からだと安い時で往復7万円)、海外旅行保険費(1ヶ月1万円前後)
 

⇒企業側は懐を痛めないために、航空券代・海外保険もインターン自身に負担させています。
 

まともに就職したいならブラックインターンには近づかないこと

まともに就職したいなら、ブラックインターンに近づくのはやめましょう。

ブラックインターンもひとつの経験…と思う方もいるかもしれませんが、私が採用側であれば、こういったブラックインターン経験は評価しません。
有給のアルバイトの方が責任を持って仕事をしていたと考えて、アルバイト経験がある人を優先して採用します。

就職活動を有利に進めるためには、ブラックインターンを避け、きちんとしたインターンでの経験を積むか、有給で責任を持ってアルバイトに励んでくださいね。

 

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この記事内容の著者

はるじぇー
「大人の英語学び直し」「語学留学・ワーホリ準備」のための英語学習サービスを完全オンラインレッスンにてハルヨンにて提供中。 著書「20歳を過ぎてから英語を学ぼうと決めた人たちへ」。 語学学校サウスピークの共同創業者でした。