実例つき!内定するESが持つ3つのポイント
記事更新日 2024年07月19日
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本記事の前半では、ES(エントリーシート)で頻出の「ガクチカ」「自己PR」「志望動機」を中心に、重要となる3つのポイントについて解説します。
後半では、特に必出の設問である「ガクチカ」の構造について実例付きで解説します。
0.「ガクチカ」「自己PR」「志望動機」の一貫性を考えよう!
多くの企業のESで聞かれる設問は次の3つがほとんどです。
①ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)
②自己PR
③志望動機
ESを添削していると、この3つの設問をそれぞれ関連のないまま記述したESがよく見られます。
しかし、ESや面接ではそれぞれの設問を通して、みなさんの「強み」「人柄」「志望度」の一貫性が重要になります。
これらの3つの設問をどのように関連付けて一貫した「自分」を伝えればよいか、本記事で一緒に考えていきましょう。
しばもんは、3つの設問を結ぶものの1つはみなさんの「強み」だと考えています。
まずは「強み」を軸として3つの設問を関連付けてみましょう。
「ガクチカ」ではみなさんの「強み」がどのような思考や行動のプロセスの中で発揮されたのか、具体的な経験を提示します。(プロセス性の説明)
「自己PR」ではみなさんの「強み」が別の活動や入社後の業務でも発揮され得るものだと証明します。(再現性の証明)
「志望動機」ではみなさんの「強み」を貴社の業務で発揮することで、貴社で自分が成し遂げたいことの実現に貢献でき、それが貴社の利益に繋がることを訴求します。(貢献性の訴求)
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1.【ポイント①ガクチカ】どんな思考・行動のプロセスに基づいて物事に取り組んだのか説明しよう!
「ガクチカ」では、「学生時代に何を、どのように頑張って取り組んだのか」が問われます。
採用担当者はこの問いを通して、その学生さんが「物事(ここではガクチカの活動)に対して、どのように思考し、どのように行動し、問題を解決して成果を得るのか」という【プロセス性】をイメージします。
過去(学生時代)における物事への取り組み方を聞くことで、入社後も同じように物事(=仕事)に取り組んでくれるのではないかと期待するわけです。
ガクチカはほとんどの企業のES・面接で聞かれる頻出の質問です。本記事の後半ではガクチカの構造の考え方とその書き方を、実例付きで詳細に解説します。
2.【ポイント②自己PR】自分には「再現性のある強み」があるということを証明しよう!
「自己PR」では、「今のあなたにはどんな能力や強みがるのか」が問われます。
上述の「ガクチカ」において「身につけられた力、あるいは発揮された強みというのが何であり、それが入社後に自社の事業においても繰り返し発揮されるのか」という【再現性】を採用担当者はイメージします。
「再現性」とは、「ある強みが一つの場だけではなく、複数の場でも同様に発揮される性質」のことです。
ガクチカで書かれた一連のプロセスから得られた強みとなる力が、そのエピソードでしか発揮できない力では困ります。
なぜなら企業としては、入社後もその強みとなる力を繰り返し発揮してほしいからです。
では、入社後も繰り返し発揮されることを論理的に示すために「再現性の提示」を行う必要があります。
また、みなさんが企業に対してアピールする「○○という強みが自分には確かに存在している」という主張の根拠となる事例が「ガクチカ」になります。
「ガクチカ」と「自己PR」の関係は、「根拠となる事例」と「それによって証明されるあなたの強み」と捉えるのが良いかもしれません。
また、時系列的に言うと、「ガクチカ」では、「強みを<過去>において、どのように身につけたのか/どのように発揮したのか」を説明します。
つまり、みなさんの「did」を説明します。
それに対し、「自己PR」では、「ガクチカ以外のエピソードでも同様の強みが発揮されたことから、<現在>において自分にはその強みがある」ことを証明します。
つまり、みなさんの「can」を証明します。
※ガクチカと自己PRの設問に記述するエピソードの時系列はどちらのほうが古くても問題はありません。
3.【ポイント③志望動機】「将来実現したいこと×企業課題の予測×業務で発揮できる力」を訴求しよう!
志望動機では、上述の「将来成し遂げたいこと」だけではなく、自己PRで述べた「強みが入社後も再現されることをふまえて、将来的にその企業で何を成し遂げたいのか、その際に自身の強みはどのように活かされるのか」という【貢献性】も問われます。
学生さんのESの志望動機を添削していると多いのですが、「will(入社後にやりたいこと)」しか書かれていないことが多いです。
やりたいことを述べるのは勿論大切なことですが、「自己PR」と関連付けて、「自分の強みが入社後はどう活かされるのか」という点についてもしっかり述べられると良いですね。
その際には、OB訪問や企業説明会などで得た知見から、「自分が入社後に成し遂げたいことを実現する上では、○○という問題が予測される」というように企業の課題について仮説を立てておくと尚良いと思います。
そうすることで、「貴社で自分のwillを実現する上で障害となる問題は、ガクチカで発揮された強みを活かして解決できる」という流れを作ることが可能になります。
「強み」という観点から「自己PR」と「志望動機」の関係を捉えるなら、「ガクチカによって証明されたあなたの強み」と「その強みを貴社の事業で入社後に活かす方法」ということになるかと思います。
また、時系列的に言うと、前述の通り「自己PR」では、「強みを<現在>は別のエピソードにおいても発揮できる」こと(can)を証明します。
それに対して「志望動機」では、「強みを<未来>(=入社後)でどのように活かし、貴社の事業で利益に貢献できるのか」を訴求します。
ガクチカと自己PRで証明した「強みを活かして○○に貢献できる」をふまえて、「貴社で将来的に何を成し遂げたいのか」という「will」を伝えましょう。
4.【実例】ガクチカの構造
では、実際に必出の設問であるガクチカの構造について見ていきましょう。
以下は「抽象的なガクチカ」と「具体的なガクチカ」の2つの事例です。
この2つの事例を見ながら、ガクチカの構造を解説していきます。
大前提として、面接官が知りたいことの一つが【プロセス性】だと思います。
過去に「どのようなプロセスで問題を解決したのか」を面接で伝えることによって、入社後も「同じプロセスで解決してくれるのではないか」と期待します。
この【再現性】を感じてもらうことが、みなさんを採用するメリットを感じてもらうことにも繋がります。
しかし、【プロセス性】の見えないガクチカであれば、当然入社後の活躍がイメージしにくくなります。
つまり、ガクチカにおいては【プロセス】をしっかり記述することが大切になってきます。
では、ガクチカの全体構造を見ていきましょう。
前半が「思考」のプロセスを、後半が「行動」のプロセスを表しています。
繰り返しになりますが、「ガクチカ」では、「学生時代に何を、どのように頑張って取り組んだのか」が問われます。
採用担当者はこの問いを通して、皆さんが「物事(ここではガクチカの活動)に対して、どのように思考し、どのように行動し、問題を解決して成果を得るのか」という【プロセス性】をイメージします。
また、時系列的には「強みを<過去>において、どのように身につけたのか/発揮したのか」を説明します。
つまり、みなさんの「did」を説明します。
このようなガクチカを考えるうえでは、次の9段階の構成を意識すると良いかと思います。
0.結論(ガクチカの全体像を表す冒頭の一文)
1.目標設定(あるべき理想の状態)
2.現状把握
3.問題の明確化(目標と現状の乖離)
4.原因分析(ボトルネックの特定)
5.解決策立案(最有効な解決策の選定)
6.解決策実行(+仲間との協力要素/周囲の巻き込み要素)
7.成果・効果検証(目標に対する達成度)
8.身につけた力/発揮された力(≒企業があなたを採用するメリット)
0.結論
まずは「0.結論」です。
冒頭の一文はガクチカの「顔」となる重要なものです。
最初の一文(一言)で端的かつ全体像がイメージできるようにしておくと良いかと思います。
例えば「カフェのアルバイトだ」「サッカー部での練習だ」といった冒頭はシンプルでわかりやすいですが、続きを読まないと読み手は全体像を掴むことができません。
全体像を端的に示すために、次の5つの要素を含めるのはいかがでしょうか。
すべてを詰め込む必要はありませんが、ご自身のガクチカに合わせて適宜参考にしてみてください。
<抽象的なガクチカ>
このように、抽象的なガクチカの場合は「何のバイトなのか」「具体的に何をしたのか」「得られた結果は何なのか」がわからず、続きを読まないとガクチカの全体像が把握できなくなってしまいます。
<具体的なガクチカ>
「どこで」「何を」「どのように」「得られた結果」が明確となり、一文を読んだだけでガクチカの全体像を把握することが可能になります。
冒頭の一文の後に、活動を始めたきっかけや想いなどの【動機】を端的に述べられると、尚よいと思います。ただし、動機が長くなってしまわないように注意しましょう。
文字だけの「ES」よりも、声・表情・雰囲気を伝えることができる「面接」で熱い想いを伝えるとよいと思います。
続いて、ガクチカの前半の構成です。
前半部分はガクチカの土台となる背景や前提になります。ポイントは3つ(①目標設定、②現状把握、③問題点の明確化)です。
1.目標設定(=あるべき姿/理想の状態の仮定)
競技性・商売性のある活動(スポーツ・販売のアルバイト)などであれば、順位や販売金額・販売量などを数値で示すことができます。
一方、明確な目標がある活動ではない場合、数値で目標を示すのは難しいです。
その場合は、どのような状態であれば、「本来のあるべき姿」「理想の状態」と言えるのか考えてみましょう。
例えば、吹奏楽を頑張っていた学生さんの目標が「演奏会でのソロパートでの成功」だったとします。
こういった数値で表せない目標の場合「音を外さない」「テンポが遅れない」「ブレスなしで吹き切る」など、効果検証が可能な成功条件をご自分で定義できるとよいと思います。
このように、明確に数値で示せる目標ではなくても、ご自身で「あるべき姿」「理想の状態」を仮定してみるのが良いかと思います。
2.現状把握
最初から①で挙げた「目標」を達成している状態の人はまずいないはずです。
自分が今どのような状態にあるのか正確に言語化できるようにしましょう。
なぜ現状の把握が必要かと言うと、目標に対して、自分の今の立ち位置を知ることができなければ、あとどれくらい頑張ったら良いのか「逆算ができない」からです。
志望校の大学の合格のボーダーラインが得点率80%だとして、今の自分の模試の結果がわからなければ、あとどれくらい成績を上げたら良いかわかりませんよね。
目標までの逆算をするために、現状を正確に知る必要があります。
ただし、明確な目標がない活動の場合は、「理想の状態」や「あるべき姿」を仮定するのがよいと思います。
例えば、プールの監視員のアルバイトをしている学生さんがいましたが、特に業務での明確な数値目標というのはありませんでした。
しかし、プールの監視員がなぜいるのか、その存在意義を考えると、「プールを守る」ためでしょう。
つまり、「事故によるけが人や溺死者を出さない状態」こそが「理想の状態」と捉えられます。
また、現状から理想の状態を逆算することもできます。
例えば「アルバイト先は外国人観光客の多い地域にある」「それにもかかわらず外国人観光客の来客は少ない」というように現状を把握します。
そこで「外国人観光客の来客が増えれば売上増加に繋がるのではないか」と仮説を立て、そこから逆算して「外国人観光客の集客ができている状態を目指す」という目標を設定します。
このように組織目標がない場合も、現状から逆算することで理想の状態を見つけるといった方法もあります。
3.問題点の明確化
目標に対して現状の自分はどれくらい足りていないのか、その乖離こそが「問題」です。
目標と現状が数値で示せる場合は、目標1位に対して現状は6位のように、5位分の乖離があることがわかります。
この乖離(ギャップ)を明確にしておくことで、ご自身のガクチカがどんな問題に取り組むエピソードなのか採用担当者にイメージされやすくなります。
この問題の明確化が不十分だと、後程の解決策の実施によって果たして問題が解決されたのかどうか判断がつきにくくなります。
<抽象的なガクチカ>
例えば「何人もの新人がやめてしまい」といった抽象的なガクチカの場合、目標が書かれていないため成果を検証することが難しくなってきます。
こういった場合には「シフトAには10人が必要である」といった理想の状態を仮定します。それに対して現状は「退職者が多くシフトAに6人しかいない」ということを述べます。
このように目標と現状を数値で示すことで「乖離=問題」を明確にすることができます。
<具体的なガクチカ>
このガクチカの「社内目標は17分以内」「平均対応時間は23分」の部分のように、目標と現状の乖離が数値で明確になっているとよいと思います。
次はガクチカの中盤の構成です。
ガクチカの中盤は特に論理的な思考が求められます。ポイントは「原因分析」と「解決策立案」の2つです。
4.原因分析
ガクチカの前半では目標と現状の「乖離」から「問題点の明確化」を行いました。
その問題は何に起因して発生しているのでしょうか。
字数や時間の関係から、ESや面接ですべてを詳細に話すことはできませんが、準備の段階で意識しておくことは重要です。
原因分析の際に注意しておくことは、以下の2つがあります。
・可能であれば、事実(データなど)に基づいて原因を特定する
・考えられるすべての原因を列挙した上で、根本的な原因を特定する
1点目については、試合の記録の振り返り、例年の販売データ、簡単なヒアリングなどに基づいて、原因を分析できると客観性が担保されます。
2点目については、「集客が少ない」の原因として考えられるもの(「宣伝不足」「料金が高い」「サービス内容が魅力的ではない」「立地が悪い」など)を列挙し(洗い出し)、その中で根本的な原因を考えるというものです。
大体の問題は、1つの原因だけではなく複合的な原因によって生じていますが、すべての原因をESに書くのは字数的にも難しいと思います。
ただし面接で深掘りされたときのためにも、すべての原因の洗い出しを自分の中でしておきましょう。
原因分析の方法ですが、まず直面する問題が生じる原因をすべて列挙します。
次に、一次原因に対して「なぜ生じるのか?」を深掘りしていき、n次原因まで深掘りしていきます。
こうすることで、問題が生じる根本的な原因となる「真因(ボトルネック)」が特定できます。
可能であれば、「根拠」に基づいた原因分析ができるとよりよいと思います。
売上データや試合記録などの客観的なデータに基づくことができると、原因分析の妥当性・信憑性が高まります。
原因分析の際には、数学の場合分けの樹形図のように考えていくとよいと思います。
まず縦方向へ、想定できる要因をすべて列挙していきましょう。
そして横方向へ、1つの原因から生じるn次的な要因を深掘りしていきます。
これを繰り返すことで真因が特定できると思います。
<抽象的なガクチカ>
これでは「根拠」も乏しく、本当にそれが「真因」なのか疑問です。
<具体的なガクチカ>
「通話ログの比較」や「ヒアリング」で根拠がしっかり明記されています。
さらに客観的な根拠に基づいて分析されていることで真因の妥当性も感じられ、客観性の担保が可能になっています。
5.解決策立案
次は原因に対して有効な解決策を検討します。
せっかく真因を特定できても、有効な解決策を講じることができなければ成果の妥当性を感じることができにくくなります。
例えば「売上の低迷の原因は新規の来客数が少ないからだと考えた」と原因分析をします。
この真因に対して「飾りつけの実施」「ポイントカードの提案」などの解決策は、果たして有効性があるのでしょうか。
また「来客数が前月の3倍になった」という結果は、本当にその解決策によって得られた結果なのかわからず、妥当性が低いといえます。
問題を解決する上で可能なアプローチは数多くあるはずです。その中でもなぜその解決策が最も効果があると判断したのか、しっかり検討できると良いですね。
<抽象的なガクチカ>
取り組みを多く書きすぎてしまうと字数をひっ迫させてしまいます。
また、「イベントの企画」「仕事の割り振り」「性格論」などの取り組みが「新人の退職者を減らす」といった目標に対して本当に効果があるのか疑問です。
<具体的なガクチカ>
真因を明確に特定できているので、有効な解決策であるという説得力が感じられます。
次はいよいよガクチカの後半です。
6.解決策実行
上記の「解決策立案」で選定した解決策を実行する段階です。
皆さんのガクチカにおいて「どのように頑張ったのか」を伝えるところです。
ここは皆さんそれぞれの創意工夫・試行錯誤が描写されることになると思います。
注意点は次の2点です。
(a)実行した複数の解決策を羅列しない
ありがちな例として、あれもやったこれもやったと、列挙・披露が中心になり、「なぜ行う必要があったのか」「それは何を解決するための取り組みなのか」がない場合が多いです
詰め込み過ぎず丁寧にその取り組みに至る思考や行動の過程を説明しましょう。
勿論、複数の取り組みを行ったのは良いのですが、それをただ羅列しただけでは、結局1つの施策について説明する字数や時間がなくなり、抽象的なまま終わってしまいます。
1つ(多くても2つ)の解決策に焦点を絞り、それについて詳述することで、採用担当者に具体的なイメージを持ってもらえるようにしましょう。
(b)「仲間との協力」「周囲の巻き込み」要素がない
活動によって個人努力型のエピソードになるのは勿論仕方がないですが、できればガクチカに含められると良いですね。
または他の質問(自己PRなど)で他者との協力・チームでの活動に関するエピソードを取り入れると全体のバランスがとれると思います。
なぜ「仲間との協力」「周囲の巻き込み」要素が求められるかというと、皆さんが入社する企業での業務のほぼすべては必ず誰か(同僚、取引先、顧客など)と協力したり、連携したりしながら進めていくことになるからです。
一番力を入れたエピソード(ガクチカ)が個人単位の活動の場合は、他の活動を話す質問で複数単位の活動を挙げられると良いですね。
さらに、行動のプロセスを記述するときのポイントとして「工夫」「試行錯誤」「協力」「努力」が伝わるよう書くとよいでしょう。
前提や背景についての文章が長くなりすぎて、肝心の取り組みがあっさり終わってしまうともったいないですので、注意しましょう。
7.結果・効果検証
上記の「解決策実行」によってどのような結果が得られたのかを述べます。
次の2つの観点から説明できると尚良いですね。
(a)問題解決の観点:「問題点の明確化」で述べた問題はどれくらい解決できたのか
(b)目標達成の観点:問題が解決されたことにより、当初設定していた「目標」はどれくらい達成できたのか(達成率など)
※または、「あるべき姿/理想の状態」にどれくらい近づくことができたのか(状況の改善度など)
まず(a)問題解決の観点の例を見てみましょう。
「選手間の得点率の偏りがなくなる」という真因が解決され、さらに「チームの平均得点率が30点上がった」と問題が解決されたことも明示されています。
さらに(b)目標達成の観点でも明示できるとよいと思います。
「その結果、秋リーグでは優勝し、目標を達成できた」と書くことで、しっかり目標を達成できたことがわかります。
ただし一連のプロセスや発揮された強みを記述できれば、目標が達成できたかどうかはあまり問題ではないと思います。
<抽象的なガクチカ>
結果が書かれていないため、効果検証もできませんね。
<具体的なガクチカ>
自分が直面していた問題の真因である「自分+新人の同期の対応時間」を短縮させ、「対応時間全体の長期化」を解決できたことがわかります。
また「社内目標」を達成できたことも明記されているため、客観的な効果検証が可能になります。
8.身につけた力/発揮された力(≒企業があなたを採用するメリット)
採用担当者によっては、ガクチカの最後は「結果」だけで良いとおっしゃる方もいます。
字数に余裕がある場合は「強み」を最後に入れても良いかもしれませんね。
気をつけていただきたいのは、「本文から読み取れる印象」と「強み」に【乖離】が生じることです。
例えば、原因分析ができていないのに「分析力があります」と書いていたり、計画を立てていないのに「計画力があります」などと書いていたりする場合は、印象の乖離が生じているため強みの再検討が必要です。
<抽象的なガクチカ>
「ビジョンの一致」「モチベーションの維持」など、今までの要素になかったワードが出てきたことで、本文から読みとれる印象との乖離が生じています。
<具体的なガクチカ>
一連のプロセスで発揮された強みがしっかり記述され、自己PRへの伏線にすることができていますね。
では、抽象的・具体的なガクチカのまとめです。
抽象的なガクチカになってしまう原因として
・「施策」自体に着目しすぎること
・問題を決めつけてしまうこと
・原因分析をせずに思考プロセスが欠如してしまっていること
などが挙げられます。
また、施策を羅列しただけでは字数もひっ迫し、プロセス性の見えない抽象的なガクチカとなってしまいがちです。
具体的なガクチカにするためには「思考」プロセスと「行動」プロセスが見えるような構造にするとよいと思います。
以上がガクチカの構成になります。もう一度構成を復習しましょう。
0.結論(ガクチカの全体像を表す冒頭の一文)
1.目標設定(あるべき姿の過程)
2.現状把握
3.問題の明確化(目標と現状の乖離)
4.原因分析(ボトルネックの特定)
5.解決策立案(最有効な解決策の選定)
6.解決策実行(+仲間との協力要素/周囲の巻き込み要素)
7.成果・効果検証(目標に対する達成度)
8.身につけた力/発揮された力(≒企業があなたを採用するメリット)
実際に書くときは、まず字数を気にせずに詳細に書き出し、そこから字数を削っていく方法をオススメします。
そうすることで無駄がなく、文章の密度が高まると思います。
終わりに
以上、抽象的なガクチカと具体的なガクチカの実例を比較しながら、ガクチカの構造について考えてきました。
これは問題解決型のガクチカの構造ですので、学生さんによっては必ずしもこの構造に当てはまるガクチカではないと思います。
その場合は、無理にこの構造に当てはめるのではなく、ご自身のエピソードがより面接官に伝わるような構造をご自身で考えてみてください。
大切なのは、みなさんの「強み」「人柄」が面接官に伝わり、「一緒に働きたい!」と思ってもらうことです。
みなさんの「自分らしさ」が一番伝わるガクチカの構造を検討してみてください。
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この記事内容の著者
- ジョブトラ編集部
- ジョブトラアカデミー編集部です。 早期内定をサポートする、リアルな体験談やコラムを発信しています。