「好きなことを仕事にするのは、ダメですか?」に元オリエンタルランド人事が10年以上かけて作った回答を書く
記事更新日 2023年03月13日
この記事内容の監修者
- ジョブトラ編集部
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「小さい頃からディズニーリゾートで働きたいと思っていました!ぜひOB訪問させてください!」
そんなメッセージを、就活ピーク期には一か月で約100人の就活生からいただきます。
僕は、新卒でオリエンタルランドに入社して人事に配属、その後化粧品ベンチャー等で人事・人事責任者をしてきました。
スズキと申します。
(僭越ながら)人気企業・人気業界で人事をやってきたこともあり、採用業務以外でも、10年以上に渡り、たくさんの就活生の就活相談を受ける機会がありました。
今回は、オリエンタルランドや化粧品業界といった、多くの人が憧れる企業・業界を目指される方に向けて執筆いたしました。
参考になればうれしいです。
夢見るプリンセス就活生とのOB訪問
「OB訪問させてください!」
と言う就活生と実際にお話しすると、キラキラした目で「どれだけディズニーリゾートを愛しているか」について語っていただくことが多いです。
「私、小さい頃から家族でディズニーリゾートに行っていて、非日常の空間で、心から笑顔になれるんです。そのおかげで、日常もがんばれるんです!大学に入ってからはキャストとして、人を笑顔にする側になって、とっても楽しくて。私が働く場所は、ディズニーリゾート以外ないんです!!」
その想いは本心からでしょうし、一途な想いはとてもまぶしく、僕も応援したくなります(ぜひがんばろう!!)。
ただ、残念ながら夢見るプリンセス(もしくはプリンス)就活生が話すストーリーは、今まで相談に乗ってきた数百人も語ってきたストーリー。
もちろん見てきた数百枚のエントリーシートも言わずもがなでした。
ただその一方、プリンセス就活生も現実的な考えを抱いています。
「好きなことを仕事にするのは…ダメですか?」
「…でも、私みたいな人、たくさんいますよね…。好きなだけじゃ受からないですよね?」
このよくある回答に、僕が10年以上考え、お伝えしてきた一案を書いていきたいと思います。
好きなことを仕事にするのは、ダメですか?
これは様々な考えがありますが、私がいつもお話ししているのは、
・「消費者として好き」なら仕事にしない方がいい
・「提供者として好き」なら仕事にした方がいい
です。
例えば、ディズニーランドに行って「消費者として」楽しむのが好きなら、それはゲストのまま来園するのが幸せだと思います。
逆に「提供者として」(ディズニーランドのキャストのように)人を笑顔にしたり、感動させたりするのが直接・間接問わず好きなら、オリエンタルランドで働くのはマッチしている可能性が高いです。
※「ビジネスとしてディズニーを見ているかが大事」と表現する方もいて、少し近いですね。
「提供者として好き」な人は、普段から自然とそういった行動をとっているはずです。
困難があろうとも、サークルで、バイトで、家族に、友人に、笑顔や感動を提供しているのではないでしょうか。
そういう行動があまりなければ、もしかしたら消費者として好きなのかもしれません。
そういった就活生には、ゲストとしてファンでいることをやんわりとおすすめしております。(納得する就活生も結構います)
そしてもちろんこれは化粧品にも、ゲームにも、音楽にも、様々なことに言い換えられます。
消費者として好きか、提供者として好きか。
あなたはどちらでしょうか。
好きなだけじゃ受からないですよね…?
では「提供者として好き」だとしても、「好き」なだけでは受からないか。
答えはYesです。
(みんなが好きな仕事ができる世界になればいいと願っていますが…)
当然、スキルや人柄をアピールするなど、就活テクニック的なところはもちろん必要です。
この点は書籍・ネット情報などで情報があふれているのでここでは割愛します。
加えて、前述のとおり、プリンセス就活生は同じようなストーリーを話します。
「小さい頃から好き」「非日常が」「笑顔を」「感動を提供したい」…
でも本来、劇中のプリンセスは一人ひとり個性があり、独自の夢があり、独自の愛があります。
皆さんも、無意識の奥底までたどると、キラキラしたあなたらしい夢や愛が必ずあるはずです。
偉そうに言う私も、就活当初は、
・初めてのディズニーシーで3回泣くほど感動しました。泣くほどの感動を人々に提供したいため志望しました!
とES(エントリーシート)に書いていました。
感動を提供したい、というありきたりなストーリーです^^;
当時、オリエンタルランドを前年受けた同級生(僕は留年していた)や、就活支援のプロ社会人達から、有り難いことにダメ出しや問いを投げられました。
「感動して何で働きたいと思ったの?」
「他社の感動でもいいんじゃないの?」
自分の気持ちの深いところに潜るのは当時も今も大変ですが、問いのおかげで無意識下にある、僕らしい夢や愛に気付けました。
そして面接では、
・宮城で生まれ育ち、就活直前までほぼディズニーに行ったことがありませんでした。彼女に嫌々連れられた、ディズニーシーで3回泣くほど感動しました。その時に、この感動を知らなかったことがとても悔しかったんです。だから僕のように地方在住でディズニーの良さをまだ知らない人に、ディズニーの良さを伝えたいため志望しました。
と話しました。
入社後に面接してくれた方に会ったら「他項目はイマイチだったけど(笑)、スズキの志望動機だけは、キラキラした目で本気で語っている事が伝わってそこが良かったよ」とのことです。
僕が支援した、憧れ企業内定者には、ありきたりのストーリーの奥底にあるその人らしい夢や愛を見つけた方が多くいます。
1人で見つけるのは困難なので、友人や社会人と対話しながら、一緒に無意識に潜っていけると良いかもしれません。(僕と4時間対話し続けて発見し、オリエンタルランドから内定が出た方もいます)
憧れ企業の周辺にも、魅力的な企業がある!
また、憧れ企業の周辺にも、憧れ企業に近い(またはそれ以上の)ことができる、魅力的な企業がある場合もあります。
当時化粧品ベンチャーの人事をやっていたこともあり、「資生堂やKOSEで化粧品企画をしたい!」と話す学生ともよくお会いします。
OB訪問に来たある学生に、ひと通り化粧品業界の選考対策やES添削をしたことがありました。
「今日はありがとうございました」と言って終わろうとした時、「そういえばスズキさんの勤める会社って、どんな化粧品会社なんですか」と聞かれたので、会社説明をしました。
「OEMメーカーって知っていますか?化粧品販売メーカーから研究・企画・製造の一部を引き受けて、代わりに化粧品を作る企業です。最近は研究所も工場も持たない販売メーカーも増えていますし。」
「大手の化粧品販売メーカーで企画できる人はひと握りだし、生涯でたくさんブランドを作れるわけではないです。でもOEMメーカーのウチだと、2年目のコが『企画して商品化されたのは10ブランド目です』と言っています。驚きますよね(笑)」
「実は最近有名になり始めた○○(化粧品の商品名)の裏側を見ると当社製造と書かれています。さっきの2年目のコが、販売メーカーと一緒に、オーガニックで本当に肌に良いものを作ろうとして生み出されたものです」
そう話していくうちに、学生の表情が変わっていきました。
・本当にしたいことは、大手化粧品販売メーカーで企画をすることではなかった。
・自分が苦労したように、肌で悩む人のために本当に良い化粧品を作りたい。
あとで聞いたら、そう思ったそうです。
彼女は有名な化粧品販売メーカーだけではなく、川上にあるOEMや香料・原料メーカーも見るようになりました。
その後、自社(当時)の内定者となり、他企業を辞退して入社してくれました。
もちろん熱い思いをもって活躍しているそうです。
皆さんも「憧れる企業」に盲目的にならずに、その企業の周りにも、近い(またはそれ以上の)ことができる魅力的な企業があるかもしれません。
ぜひ探してみてください。
おわりに
長くお話ししてきました。
憧れることはステキなことですが、皆さんにとって良い人生となるよう、下記のことを伝えたいと思い、今回記事を書いております。
・憧れや好きの奥深く、無意識下にある、本当に大切にしているあなたらしい夢や愛を見つけて欲しい
・憧れ企業だけではなく、視野を広げて、その周辺企業も探そうと思って欲しい
何か少しでも就活のヒントになればうれしいです。
また、1人だと大変なことも多いので、その際は友人や社会人を上手く頼ってください。
僕もお役に立てるなら喜んで。
Twitter(@OLC_motojinji)で時々OB訪問を募集しております。
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