企業を騙して入社し、2000万の借金を負った男の話
記事更新日 2022年07月22日
この記事内容の監修者
- ジョブトラ編集部
- ジョブトラアカデミー編集部です。 早期内定をサポートする、リアルな体験談やコラムを発信しています。
このページを見ている皆さんは、きっとこのコラムのタイトルが気になった方なのではないかと思います。
タイトルの通り、僕は就活で自分を偽り、企業を騙して入社し、2000万の借金を背負うという波乱の人生を送ることになりました。
そんな僕はこれから「就活において、自己分析こそが最も重要だ」という話をします。
世の中は『自己分析は大事』というセミナーや本、コラムであふれていると思います。
まさにその通りです。
私は、『自己分析をしなかったから2000万の借金を背負うことになった』といっても過言ではありません。
就活において最も重要なものは、自己分析です。
このコラムでは私の失敗談とともに、自己分析の大事さを伝えていこうと思います。
就活で失敗したこと
さて、本題に入る前に僕の自己紹介を少ししたいと思います。
僕はライターを生業としている人で、先程お伝えした通り、2000万ほどの借金があります。
新卒で入った職場を辞めて数千万円の出資を搔き集めて起業し、見事に大失敗したため人生がこんなザマになってしまいました。
30歳を迎える年に経営していた会社を破綻させ、それからは不動産営業を経て現在の作家業をやっています。
今でも不動産の仕事はしますし、文章以外にもわりといろんなことをして暮らしています。
週刊誌でコラム連載をさせていただく傍ら、コーヒー屋さんと組んでコラボブレンドを売ったり、飲食店経営の経験を活かして某人気料理漫画家と誌上料理対決をしたりもしました。
それと、ADHDという障害を持っておりまして、社会生活があまり上手くありません。 そういう感じの本も書きました。
まぁ、そんな人です。
さて、そんな僕ですがファーストキャリアは金融業、それも営業ではなくバックオフィス寄りの業務でした。
金融事務というやつです。
大量の数字や書類を正確に捌いていく、非常に難度の高い専門職ですね。
そう、ADHDという障害についてご存知の方ならわかると思いますが、これは僕にとって全く適性のない仕事です。
ADHDというのは、集中力や注意力に大きな問題を抱える障害ですので、ミスの許されない細かい仕事を絶え間なく続ける職場に向くわけがありません。
実際、僕はなにひとつ仕事が出来ないまま心底使えないポンコツとして職場を去ることになりました。
就活でやることは自分を偽ることではない
ここで問題にしたいのはこういうことです。
就活で自分を偽ると入社後地獄を見る。
僕を採用したちょっと特殊な部類に入る職場は、ものすごく採用に力を入れているところでした。
具体的に言うと、面接は計6回あり、それぞれ平均して2時間以上はかかったと思います。
僕は夏採用というイレギュラーなのでやや短めですが、メインとなる採用の場合は8回以上の面接があると聞きました。
要するに、「適性のない奴は取らない」という強い気持ちのある組織です。
しかし、そんな組織がこれだけの手間とコストをかけて、僕を採用してしまったのです。
結論はこういうことになります。
就活で自分は偽れるし企業を騙せるのです。
志望する会社の文化を読み取り、採用したい人物像を把握し、適性検査の回答はそれに合わせて対策した上で、面接という舞台で上手に踊る。
これができれば、自分に全く適性のない業種であっても内定を勝ち取ることは十二分に可能です。
これは、就活というのは非常にテクニカルなものであり、同時にひどく悪い表現をすれば非本質的な茶番だということです。
これを「ひどい」と切り捨てるか「工夫のし甲斐があるじゃないか」と受け取るかは人それぞれでしょう。
それはともかく、僕は就活でやることの選択を間違えて自分を偽った結果、入社後に地獄をみました。
今思えば僕の適性は明らかに営業職にありました。
実際、その後僕は不動産営業を経て人生を立て直すことになるのですが、学生時代の僕は営業職=ブラックと決めつけていたのです。
僕が最初に就職した組織は、世間一般では極めてホワイトな職場だとされていました。
しかし、僕はその職場の良さを体感することもないまま退職しました。
そして、生まれて初めて「この仕事は楽だ」と感じたのは、世間からブラック職種の典型とされている不動産営業職だったのです。
適性というのは本当に恐ろしいものです。
まずやることは自分の適性を把握すること!
勉強も苦手じゃないし、どんな仕事でも人並みくらいには出来るだろう。
学生時代の僕にはそういった確信がありました。
ですから、僕は就活において自己分析なんて一つもやることリストに入れていませんでした。 むしろ、全力でやったのは企業分析の方です。
これは当然です、面接で「採用される人物」を演じるには企業を知る必要があります。 最初は上手くいかなくてもひたすら数をこなし、分析を続けるうちにそれは出来るようになりました。
大企業であればあるほど「採用方針」というものは明確に存在し、そこにピッタリ嵌る人間がやってくれば採用する他ないのです。
逆に、小規模なベンチャー企業などは採用の権限が非言語的な形で現場に投げられており採用方針が読みにくく、内定を取るのが難しかった覚えがあります。
僕は30代後半になります。
この年齢になって気づいたことは、僕は「安定した職場」に存在してはいけない人間だということです。
というのも、僕には安定した生産性というものが全くないのです。
個人の性質としても、あるいは障害特性としても。
間違っても自分が事務職に就いてはいけない人だと僕は30歳を過ぎてやっと気づきました。
さて、世の中には実に様々な職業があります。
その中にはあなたの天職と呼べるものもあるかもしれないし、一方で僕にとっての金融事務のような「鬼門」もあるでしょう。
就活において、自分の適性をしっかり把握することが何より重要です。
即ち、自己分析が大事になるのです。
その上で、主体的選択として自分を偽って、適性のない職場を狙うなら、それはそれで「アリ」です。
適性があることがやりたいこととは限りませんからね。
それなら就職した後「だめだった」となった時も、改めてまた別の道を探すことが出来るでしょう。
僕はそれが出来ず、「自分はとことんダメ人間だ」と考えてひどく回り道をしてしまいました。
「自分に勤め人なんてやれない、起業で一発逆転しかない」と考えて崖から落ちたおっさんの話です。
最後に就活のメッセージ
いかがでしたか?
僕は30歳を過ぎて、ふと就活生用の自己分析を色々やってみましたがやはり「学生の時にちゃんとやっておけばよかった」という気持ちになりました。
もちろん、自分に合わないものもありますが、何冊か本を読んでやってみるとそれなりに適性というのは見えてくるところがあるのです。
最早就活生のみなさんからみて立派なおっさんである僕が、「自己分析をちゃんとやっておけばよかった」と後悔しているんだからザマありません。
こんな社会情勢です。
就活生のみなさんが焦る気持ちはよくわかります。
かつての僕も、いきなりリーマンショックが降ってきて本当に焦りました。
しかし、まずは自分自身を知るところから始めてみてください。
それでこそ、就職活動の「テクニカル」な部分も上手くやれます。
自分を偽るなら、自覚がある方が上手く行くに決まっている。
そういうことです。
まずは自分を知りましょう。
そして、上手いことやりましょう。
皆さんの成功を心より祈念しています。
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