【保険業界研究】損保・生保の違いは?就活に活かせる!大手完全比較

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記事更新日 2024年07月18日

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この記事内容の監修者

ジョブトラ編集部
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この記事では、損害保険と生命保険を扱う企業のビジネスモデルについて解説していきます。

加えて、3大メガ損保(東京海上日動火災保険・三井住友海上火災保険・損保保険ジャパン)と

4大生保(日本生命・第一生命・明治安田生命・住友生命)の基礎知識に、各社の強みを交えて紹介したいと思います。

 

就活生が知っておきたい「損保・生保のビジネスモデル」

保険業界を志望するみなさんは、まず「損害保険」と「生命保険」がどのようなものか、それぞれ違いを答えることができますか?

 

「大体はイメージつくけど、自信を持って説明することはできない」という方がほとんどだと思います。

 

ですが、それは悪いことではありません!

現在の生活のなかでは、それほど馴染みがないという人も多いのですから。

 

まずは損保・生保のビジネスモデルの概要をお伝えする前に、そもそも「損害保険」「生命保険」がどのような役割を果たしているのかを簡単に説明していきます。 

 

三井住友海上火災保険に代表される「損害保険」とは?

損害保険は、偶然起きた事故などにより被った経済的な損害や、人的な損失を補償する保険です。

 

普段から私たちの日常には、自分が誰かを車でひいてしまう、家が燃えてしまうなど、さまざまなリスク(危険)を抱えて暮らしています。

ここでいうリスクとは「怖いもの」というより、誰もが抱えているマイナスの可能性だと思ってください。

交通事故、火事、台風や地震などの自然災害によって物的損害が生じたり、人が傷ついたりすることがあります。

これらのリスクを「損害保険」が補償しているのです。(※1)

(※1)参考:三井住友海上火災保険「リスクと損害保険」より

 

損害保険ジャパン株式会社(旧:損害保険ジャパン日本興亜)が保障する損害保険の種類

損害保険にはいくつもの種類があり、個人向けから法人(会社)向けまでさまざま。

 

主な例は以下の通りです。

 

・自動車:車両事故などの補償、事故などによる相手方への賠償、ご自身・家族・同乗者への補償

例:損害保険ジャパン(旧名:損害保険ジャパン日本興亜):自動車・バイクの保険

 

・すまい:水害、風災、火災、地震、津波などによる損害への補償

例:三井住友海上火災保険:すまい・家財の保険

 

・ビジネス:オフィスや工場における各種補償、商品の盗難、機械の故障や事故

例:三井住友海上火災保険:企業財産の保険

 

この他にも売上・利益に関する保険、損害賠償責任に関する保険、社員に関わる保険などが挙げられます。

例:損害保険ジャパン(旧名:損害保険ジャパン日本興亜):賠償責任の保険

 

損害保険と対比してわかる!「生命保険」とは?

生命保険とは、怪我や死亡といった不測の事態の経済的負担や損失などを補償する保険です。

公益社団法人生命保険文化センターが行った調査によると、日本では約80%の方が生命保険に加入しています(2019年度)(※3)

生命保険では、各個人のライフステージの変化、病気や怪我のリスク、介護、死亡といったさまざまなリスクに備えています。

(※3)参考:公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険に加入している人はどれくらい?

 

さて、「損害保険」と「生命保険」の主な役割を理解したところで、保険業界のビジネスモデルについて触れていきたいと思います。

 

保険業界のビジネスモデルは?

保険会社には、大きくわけて2つの機能(保障機能・資産運用機能)があります。

これらがどのような機能を果たしているのかご紹介していきます。

 

生保が持つ「保障機能」とは?

損保と生保、両会社における「使命」ともいえる機能。

お客さまから保険料を預かり、万が一のことが起きたときに保険金・給付金を支払うしくみです。(※4)

 

損保と対比して考えると、生保には大きくわけると3つの基本形があります。

 

・生保の機能(1) 死亡保険

契約者が死亡した場合、保険金が支払われるものです。

 

終身保険……一生涯の保障をするもの、貯蓄性があって解約返戻金がある

定期保険……保険期間を定めているもの、貯蓄性はないが割安

養老保険……あらかじめ保険期間を決めておき、満期時に保険金を受け取ることができる

 

・生保の機能(2) 生存給付保障

特定の疾病や症状になった場合、生存中に保険金を受け取ることができるものです。

 

入院総合保険……入院、手術時に必要な費用に備える

3大疾病保障保険……脳卒中、ガン、心筋梗塞と死亡に備える

介護保障保険……要介護状態と死亡に備える

 

・生保の機能(3) 資産形成

ライフイベントの発生する時期や目的に合わせ、資産を少しずつ準備していくものです。

 

年金保険……将来必要な資金を計画的に準備する

学資保険……子どもの教育資金を目的として準備する

 

生保の機能の一つである、資産運用とは?

保険会社は、契約者から預かった保険料をマーケットに投資し、契約者に配当金や保険金として支払っています。

 

ようは、社内に投資のプロがいて、預かったお金を増やす努力をしてくれるのです。

主な投資先には公社債、株式、不動産などが挙げられます。

投資ではリスクが大きいものほどリターンも増える性質があります。

しかし、保険料は契約した以上、保障の対象となったらお客様へ原則として全額払わねばなりません。

そのため、保険会社の投資先はリスクが低い金融商品が多くなります。

保険会社によっても異なりますが、投資先の約50%〜約60%が国債など、リスクが少ない代わりにリターンも少ない公社債といわれています。

業界最大手の日本生命は、2018年度の決算資料によると、総資産68兆円に対して約3割の約23兆円が公社債です。

このことから、保険会社は保守的な資産運用を行っているということがわかりますね。(※5)

就活では、保険営業以外にも、この投資や分析の専門家も採用しています。

 

また、保険商品の設計や運用には高度な数的知識が必要で、そのための新卒採用も若干名実施されています。

ただし、そのためにはアクチュアリーという、公認会計士にも並ぶ難易度の資格が必要です。

もし保険商品の設計に携わりたいなら、アクチュアリー資格について調べておきましょう。

 

(※4)参考:日本生命 新卒採用ホームページ「生命保険の基礎知識

(※5)参考:日本生命「決算情報

 

就活生必見「3大メガ損保を解説します!」

ここからは、3大メガ損保と呼ばれる会社を紹介します。

 

「45か国に事業展開、圧倒的シェアを誇る」東京海上日動火災保険を解説!

東京海上日動火災保険は、東京海上ホールディングスグループに属します。

なお、東京海上ホールディングスグループには、子会社241社、関連会25社があります。

2004年に東京海上と日動火災が合併し、現在の東京海上日動火災保険株式会社になりました。(※6)

海外保険事業は、2000年以降、アジアなど新興市場でのM&Aを通じたローカルビジネスの拡大。

さらに欧米における大型買収実施により、今のグループ収益の40%を占める中核的事業にまで成長しました。

(※6)参考:東京海上日動 「 東京海上日動火災のグローバル展開 」より

 

「海外に加え、介護・ヘルスケア事業も展開」損害保険ジャパン(旧名:損害保険ジャパン日本興亜)

損害保険ジャパン(旧名:損害保険ジャパン日本興亜)は、SONPOホールディングスグループに属しています。

2020年の4月1日に、社名が変更となりました。

 

SOMPOホールディングスグループには、子会社100社、関連会社14社があります。

 

SOMPOホールディングスは2015年、居酒屋チェーンで知られている「ワタミ」の介護事業を買収。

そこから「介護・ヘルスケア事業」を開始し、2017年には初めて黒字計上しました。

 

「介護・ヘルスケア業界」における2019年3月期の業界売上高は1,238億円で業界2位という結果を残しています。(※7)

さらに、介護・ヘルスケア事業をはじめ、住宅リフォームや延長保障事業など多岐にわたる事業を展開していく計画を練っています。(※8)

 

(※7)参考:SOMPOホールディングス「介護・ヘルスケア事業

(※8)参考:SOMPOホールディングス「国内損害保険事業

 

「ASEAN圏で活躍、中小企業の海外進出もサポート」三井住友海上火災保険

三井住友海上火災保険は、MS &ADインシュアランスグループホールディングスに属しています。

MS&ADインシュアランスグループホールディングスには、子会社186社、関連会社37社があります。

 

1934年、日系損保初のタイでの元受営業を開始しました。

ASEANの成長と共に事業を拡大し、域内No.1の規模を確立。(※9)

2004年から積極的に海外進出を開始し、現在はASEAN10カ国で元受事業を行っている唯一の損害保険グループとなっています。

さらに、トヨタグループ、日本生命グループ、三井グループ、住友グループなど異業種トップ企業との長期にわたる信頼関係を構築しています。(※10)

(※9)参考:三井住友海上「三井住友海上の歩みと未来

(※10)参考:三井住友海上「成長著しいアジアへの挑戦


 

ここまで、3大メガ損保の解説をしました。

すべての企業に一貫しているのは、海外事業に力を入れている点ですね。

それに加え、他業界への進出を手がけている企業も多くみられました。

今後はさらに多面的な活躍が期待できます!

 

就活生必見「4大生保を解説します!」

ここからは生命保険(生保)の4大企業を解説していきます。

 

「業界トップの資金力と安定性が最大の武器」日本生命

従業員数は71,817名(うち内勤職員19,515名)、取引客数約1188万人、取引企業数約25万企業となっています。(※11)

総資産は約68兆円、ソルベンシー・マージン比率は約993%です。

130年という歴史、多くの顧客数、揺るぎない資本が、日本生命が生命保険業界のトップを走り続ける要因だということを理解していただけたと思います。

さらに、グループ会社の大樹生命、ニッセイ・ウェルス生命、はなさく生命といった生命保険の分野、その他アセットメント会社、海外運用現地法人、ニッセイ・リースなどの運用関係会社など、

さまざまなバックラウンドに支えられているということも要チェックですね!

(※11)参考:日本生命「2019年 統合報告書

(※12)ソルベンシー・マージン比率(※12)とは、保険業法にて定められた指標。保険会社の健全性を見極めるのに用いられます。200%未満になると金融庁からの早期是正措置が取られるため、ひとつの目安に。

 

「積極的なグローバル事業を展開」第一生命

従業員は55,725名(内勤職11,281名、営業職44,444名)、総資産は約37兆466億円です。(※13)

2007年以降、ベトナム、タイ、インド、オーストラリア、インドネシアの生命保険市場へ順次展開しました。

2015年には、米国の生命保険会社であるプロテクティブ社を完全子会社。

世界最大の生命保険市場である米国への事業展開も果たしました。(※14)

こうした海外での事業展開は、今後も拡大が見込まれています。

国内だけでなく国外のマーケットを増やした企業が注目され、生き残っていく時代となりつつあることが伺えます。

(※13)参考:第一生命「会社概要

(※14)参考:第一生命「第一生命のアウトライン

 

「国内顧客に尽力、生保最古で圧倒的基盤を確保」明治安田生命

従業員数は43,550名(うち営業職員32,853名)、総資産は約39兆円3,851億円です。(※15)

ソルベンシー・マージン比率は、連結・単体ともに1,000%を超えています。

 

日本生命の約993%と比べても、とても高い数値だということがわかります。

財務基盤の強化などを通じ、高水準の安定感を数値として読み取ることができます。(※16)

(※15)参考:明治安田生命「会社概要

(※16)参考:明治安田生命「2019年度第3四半期報告の概要

 

「健康増進にも着手、自慢の商品開発力で成長」住友生命

従業員数は42,951名(職員10,973名、営業職員31,981名)(※17)、総資産は約38兆8526億円です。(※18)

2018年7月には健康増進型保険「Vitality」を発売しました。

 

「リスクそのものを削減する保険」という商品コンセプトで外部からも高く評価され、

「第7回健康寿命を伸ばそうアワード」厚生労働大臣最優秀賞受賞、「2018年日経優秀製品・サービス最優秀賞日経ヴェリタス賞受賞」などの賞を受賞しました。

 

以上のことからも、住友生命が自身の商品開発力で健康増進活動にも着手していることがうかがえます。

「リスクそのものを削減する」というアイデアが斬新ですよね。

(※17)参考:住友生命「会社概要

(※18)参考:住友生命「IR情報

 

損保と生保の業界解説:おわりに

今回は、「損保・生保業界のビジネスモデル」から「3大メガ損保・4大生保」の詳細まで解説しました。

どの企業に関しても従来の保険だけでなく、高齢化社会における医療保険ニーズの増加や海外進出など、+αの保険事業が展開されているのがポイントです。

 

その企業の強みや特徴を理解することが、業界理解、企業理解へとつながります。

そのため、自身の適性にあった企業を選別していくことがとても重要です。

みなさんも是非、実践してみてください。

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この記事内容の著者

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